こんにちは、このブログでは北海道の魅力的な観光地を紹介しています。今回は、道東を代表する湖、阿寒湖についてお話ししたいと思います。阿寒湖は、釧路市北部に位置し、全域が阿寒摩周国立公園に含まれています。淡水湖としては北海道で5番目に大きく、周囲はエゾマツやトドマツなどの亜高山帯針葉樹林に覆われています。
マリモが自然のまま生息する珍しい湖
阿寒湖の最大の特徴は、マリモと呼ばれる球状の緑藻が自然の状態で生息していることです。マリモは特別天然記念物に指定されており、世界でも日本とアイスランドの2か所でしか見られません。阿寒湖では遊覧船でチュウルイ島に渡り、マリモ展示観察センターでマリモを間近に見ることができます。マリモは水温や水流などの条件が揃った場所でしか育ちません。
阿寒湖のマリモは自然環境の変化によって減少の危機にあると言われていますが、環境省や地元住民などの保護活動によって現在も守られています。
火山活動の影響を受ける阿寒湖
阿寒湖は、約17.5万年前と約15.8万年前の噴火によって形成されたカルデラ湖でしたが、約1万年前に雄阿寒岳の噴火活動によって堰止湖がつくられました。その後も雄阿寒岳は成長を続け、古阿寒湖は分断されて現在の阿寒湖となりました。雄阿寒岳と対をなす雌阿寒岳は現在も活動中の活火山であり、2006年には小規模な噴火を起こしました。
このように火山活動の影響を受ける阿寒湖では、沿岸に「ボッケ」と呼ばれる泥火山が噴出し、硫黄の異臭を周辺に放っています。「ボッケ」はアイヌ語で「煮え立つ」を意味します。アイヌの人々は、火口から噴煙を上げる雌阿寒岳の姿を見て、「山同士の争いに巻き込まれて槍で突かれて、傷口から膿を流している」と解釈し、さまざまな伝説を造り上げました。
温泉街やアイヌコタンでアイヌ文化に触れる
阿寒湖畔には温泉街があり、温泉好きにはたまらない場所です。温泉街の一角には北海道最大のアイヌコタン(アイヌの集落)があり、アイヌの伝統舞踊や文化を紹介する施設が並んでいます。アイヌコタンでは、アイヌの伝統工芸品や木彫製品などを販売する土産物店もあります。また、音楽祭や演劇なども開催されており、アイヌ文化の発信地となっています。
アイヌは、自然と調和して暮らしてきた北海道の先住民です。アイヌの言葉や歴史、生活様式などを学ぶことで、阿寒湖の自然に対する感性や敬意も深まるでしょう。
スポーツフィッシングやワカサギ釣りで楽しむ
阿寒湖ではスポーツフィッシングも楽しめます。ニジマス、イトウ、イワナ、アメマス、コイなどが釣れます。特にイトウは阿寒湖の名物として知られており、最大で1メートル以上にもなる巨大な個体が存在します。阿寒湖ではイトウの保護と増殖に努めており、釣ったイトウは必ずリリースすることが義務付けられています。
冬季には、結氷した湖面に穴を開けてのワカサギ釣りも盛んです。ワカサギは小さくて可愛らしい魚ですが、味は絶品です。釣ったワカサギをその場で天ぷらや塩焼きにして食べることができます。冬の阿寒湖では、「阿寒湖氷上フェスティバル・冬華火」などのイベントも開催されており、氷上でスケートやスノーモービルなどのウィンタースポーツを楽しむこともできます。
阿寒湖は、自然や文化、レジャーなど見どころ満載の観光地です。北海道に行く機会があれば、ぜひ阿寒湖を訪れてみてください。阿寒湖の魅力に触れることで、きっと素敵な思い出ができるはずです。